開館25周年記念

作品紹介

3.きそいあう江戸の風景

『冨嶽三十六景』以後、北斎は短期間のうちにつぎつぎと風景画を発表します。その画風は後代の絵師たちに大きな影響を与えました。また、広重は名所絵師としての地位を確固たるものとし、晩年まで活躍を続けます。たくさんの絵師たちがきそいあうように生み出した、華やかで多彩な江戸の風景画をお楽しみ下さい。

歌川広重『木曽海道六拾九次』より「中津川(雨)」
歌川広重『木曽海道六拾九次』より
「中津川(雨)」

天保6~13年(1835~42)頃 木版
個人蔵
※前期出品

『木曽海道六拾九次』刊行のごく初期のみに摺られた「雨の中津川」です。本展では「晴れの中津川」と同時出品いたします(前期出品)。

北斎が最後に制作した大規模な揃物です。当館所蔵の全27枚を随時展示替えにより紹介します。

葛飾北斎『百人一首姥がゑとき』より「山辺の赤人」
葛飾北斎『百人一首姥がゑとき』より
「山辺の赤人」

天保6、7年(1835,36)木版
町田市立国際版画美術館蔵
※前期出品

広重は生まれ育った江戸の風景だけではなく、日本各地の名所もたくさん描いています。

歌川広重『六十余州名所図会』より「信濃更科田毎月鏡台山」
歌川広重『六十余州名所図会』より「信濃 更科田毎月鏡台山」
嘉永6年(1853)木版
神奈川県立歴史博物館蔵
※後期出品

北斎・広重以外の絵師も大活躍です!

溪斎英泉『日光山名所』より「素麺之瀧」
溪斎英泉『日光山名所』より「素麺之瀧」
天保14~弘化3年(1843~46)頃
神奈川県立歴史博物館蔵
※後期出品

広重晩年の作品です。ゴッホが「タンギー爺さん」の背景に描いたことでも有名です。

歌川広重『冨士三十六景』より「さがみ川」
歌川広重『冨士三十六景』より「さがみ川」
安政5年(1858)木版
町田市立国際版画美術館蔵
※前期出品