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北斎が房総旅行中に描いた大絵馬が、出品されます!

葛飾北斎 富士の巻狩 ※前期出品

北斎の活動は江戸で浮世絵版画を制作することにとどまりませんでした。この絵馬は縦が約140センチ、横が約180センチと大きく、江戸以外の地で描かれた肉筆の大作として注目されます。
文化3年(1806)、北斎は上総国(かずさのくに・現在の千葉県の一部)へと旅立ちました。旅の途中、長須賀村(現在の千葉県木更津市長須賀)の名主である水野清右衛門宅に滞在して制作したのが、この絵馬です。「画狂人北斎旅中画」という落款には、旅の途中で描いたことがはっきりと記されています。題材は、鎌倉幕府の初代将軍、源頼朝が建久4年(1193)におこなった「富士の巻狩」です。巻狩とは、獲物の四方をとりまいておこなう狩りのことです。富士の裾野では人馬が駆け巡り、その背後には富士山が雄大な姿をあらわしています。

葛飾北斎『冨嶽三十六景』より「凱風快晴」
葛飾北斎 富士の巻狩
139.3×180.4㎝
板絵着色
文化3年(1806)
長須賀 日枝神社蔵
千葉県指定有形文化財
※前期出品